餅勧進

小正月に飾る「めのもち」を作っていると14日は餅勧進だと気がつきました。

「めのもち」と言うのは、餅花とか繭玉などと呼ばれているものと同じだと思います。
色のついたお餅をエノキの枝にさした小正月の飾りものです。
これを家やお墓などにもかざります。

「餅勧進(もっかんじん)」とは、宮崎の西部の端の方である冬の行事です。
厄年の男女がグループを作り、正体が分からないように扮装して家々を回り、
厄払いを兼ねて賑やかに踊り、お礼にたらふく酒を飲ませてもらいご祝儀を貰うのです。
勧進は口をきく事ができないので、しこたま焼酎を飲まされるので相当の酔っ払い状態で
来る事も多かったです。

一応は事前に「今夜、行きますから家にいて下さいね」とお伺いがあるけれど、それが何時になるのかは
分かりません。
その上、電気のついている家を闇雲に回るアポイントなしの訪問者たちもいるのです。
正体不明の扮装だから、どれが待っているグループかも分かりません。
待ち人のグループが来る前に、さんざんご祝儀もお酒も取られた後だったり・・・。
(おまけにご祝儀だけ狙うニセの餅勧進なる輩も増えていました)
今は、携帯電話で「今着きました」と電話を入れてもらえるけれど、昔はなんとも
もどかしい思いをしたものですね。

そんなわけで、子供の頃はこの日に訪問者の予定がないと早々と電気を消して早寝をするか、
外食にでかけて留守にしていました。


今はもう餅勧進をする人も減り、
する方も仲間内だけでするようになったご時世なのに、つい、
「今夜は早く電気を消さなきゃね」
と、母が言っているのが可笑しかったです。