ダッチアイリス

知人から球根を貰った。

「チューリップだと思う」と言うので、年始に早速鉢植えにした。

鉢植えにするだけでは余るくらいの大差だったので、プランターにギュウギュウに詰めて植えこんだりもした。

その他にも、なんだか分からないが、種かき球根の何かであろう植物片も手当たり次第植えこんでみた。

 

3月の初めにもなると、球根から葉が延びてきたのだが、私の知っているチューリップの形状とは少ししがっていたので、もしかすると珍しい品種でないかと胸を躍らせた。

3月の終わりになろうとすると、屋外でもチューリップは咲き始めるのだが、鉢植えの謎の球根は葉が数葉に増えるばかり。

扇形の先のとがった形状で育ってゆく球根。さぞや珍しい花の色だと、この時もまだチューリップだと思っていた。

 

4月の下旬にもなってみると、ここでようやくチューリップではないと知ることになった。7~8枚に増えた葉っぱはどう考えてもチューリップのそれではない。

7~8枚ほどの葉の間からツーーーッと茎があがってきて、先に蕾がついていた。

その蕾はどうやら、アヤメ科の植物を思わせる。

 

今年のゴールデンウィークも、どうやら家で過ごすしかないと言われ始めたころ、蕾は黄色くなり、黄色のアヤメのようなものが咲くのだろうと思われた。

 

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早速、画像で検索すると「ダッチアイリス」(オランダアヤメ)ではないかということが判明した。

 

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「黄色いアイリス」である。

ここ1年あまりBSの名探偵ポワロにハマっている。

確か短編の中にも「黄色いアイリス」というお話があった。

この連休は、録画がたまっている「名探偵ポワロ」の長編を見て過ごそうと思う。

ただ、2000年代以降の長編はちょっとうら寂しい気分になることが多い。

皮肉めいたジョークと、ユーモアで終わることの多い短編シリーズと雰囲気が違う。

2000年代以降の長編は映像はずいぶん美しくなっていて、美しいイギリスの庭園や風景。あの時代のファッション、俳優陣のお顔立ちもとてもよく見える。

しかし寂しい。そして、重く切ない・・・。ポワロが年取ったからじゃない。

ああ、ヘイスティング大尉が登場しなくなるのがいけないのか。

おとぼけさんの見当違いな推理と思考が、物語をホッとさせ、ラストに清々しさとちょっとした脱力を生んでくれていたのだろうか。

おとぼけさんというのも世の中には必要だ。

 

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そうそう、知人から貰った他のよく分からない、種だか球根だかの植物片だが・・・。

今の所、茅のような葉っぱが出ているのみ。

葉の形状から見ると、夏に薮で咲くオレンジ色の花(ヒメオウギ)のようにも見える。

 

ヒメオウギならちょっと困るな・・・(薮にあるし、間に合ってるし)