大濠公園をさるく 〜シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展〜

妹達をネイルの試験会場に引率して行ったわけですが、同じ方向に進むギャル達の多いこと私の道案内など不要。みんな同じ目的で進んでいるのだから。


受験者達は赤いマニュキアを爪に塗られたモデル役を連れて歩いているのですぐ分かる。
みんな痩せすぎるほど痩せていて、ハイヒールをカッコン・カッコン言わせて歩いています。
それにしてもギャルには程遠い我々三姉妹。此処でも都会の雰囲気に気押されそうでしたが、時々、聞える話し声に鹿児島なまりやら、年配の女性の姿を見るけると何故かホッとしました。
ほとんどギャルの集団なんですから
木下由樹菜(?)、青田典子(?)、中にはローリー寺西(?)という雰囲気のギャルが圧倒的。
(可愛いギャルもいれば、やや姉さんのギャルもいるし、個性的ギャルもいると言う感じでしょうか)


会場に送って行った後、試験が終わるまでの3時間、買い物するにも物価の高い博多で何を買おうか困ったので、福岡市美術館で開催中の『シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展』に行ってきました。




福岡市美術館大濠公園にあります。

町の中にある公園でメインは写真の池ですな・・・。たぶん。
この畔に美術館があります。

「光悦」、「宗達」、「北斎」・・・お宝鑑定の番組でよく耳にするお名前・・・。
テレビで見るのじゃわからない、本物の仕事とやら、狩野派の絵とはどんなものぞやと見学してきました。

いくつか気になる作品があったのですが館内は撮影禁止。
さすがに狩野派の絵を私のスケッチでは表現できないので、後でグッズ販売で気に入った作品のポストカードを買ったので、その写真をご覧ください。



壇ふみさんの解説を聞きながら入場すると、まず最初に烏の集団を描いた屏風に出会います。


17世紀前半頃に描かれた、156.3×353.8cmの烏図です。
羽ばたく烏の迫力、集まる烏の不気味さを強く感じました。
黒く描かれた烏ですが、近づいて見るとやや茶色の絵具で目が描かれていたり、羽がちゃんと描かれ、口を開けている烏の可愛さ?(ユーモラスさ?)も若干ですが感じることができます。


お釈迦様のお顔とか、高価なお皿、壺、浦島太郎がモチーフの蒔絵の箱、藤原定家をはじめとする達筆な書が展示されています。
スタイルのいい、腰のくびれが美しい唐時代の菩薩立像などもありました。
梅の絵が好んで描かれていたのか、展示されていた日本の絵や中国・韓国の絵も多く梅が見られれました。

販売されているポストカードにはありませんでしたが、仏教の教えを説いた絵と書の組み合わせの巻物が興味深かったです。(地獄草紙断簡の一部)
「因果応報」のシーンでしたが、生前に動物を苛めた者は、地獄の炎にまかれた上に、
苛めた動物達に叩きまわされるというシーン。この世で悪い事をするとあの世で痛い目に合うというお話ですが、あの世に行かずとも、現世でも因果応報でやられる人々もいるのではないでしょうか。
そう言う人は、この世でやられ、あの世でやられ散々なことでしょうねぇ・・・。

そう言う絵を見て進むと、ぱ〜っと目に鮮やかな絵が飛びこんできます。




狩野重信の「竹に芥子図」の六曲一双の図です。(157.8×356.2cm)
一つでも十分美しい屏風ですが、2つ並ぶとなお美しい芥子の咲く空間を感じることができる・・・ような。
西洋画も美しいですが、日本画もかなり美しいものですね。
贅沢なのに嫌味でなく品があるというのかしら
これが本物の輝きとオーラ?
それに絵を見て感じたのは、本物は手を抜いていないということですね。
鑑定の番組で鑑定士が「絵具に品がない」とか、「作品に力がない」とか言うのも分かる気がします。




本物を観賞した後は、再び炎天下の大濠公園をてくてく歩いて駅まで向かいました。



公園の池の向こうのビルの中に、福岡タワーが見えます。
子供の頃、福岡で「よかとピア」とか言う万博のようなものがありました。
その時に福岡タワーに徒歩で登るのにもお金がかかったような気がします・・・。
そう言えば、あれは何が目的の万博だったのかなぁ・・・。
行ったはずなのに何を見たか記憶にない・・・。記憶にあるのは福岡タワーに上るのにお金がかかったという事だけ・・・(さすが金に執着する性分なだけある)


最近、東京では皇居の周りを走るのが流行っていると聞きますが、
ここ福岡では大濠公園の池周りを走るのが流行りのようです
     

みんな走るのが大好きなんですね〜。
こんな炎天下の中を走る気になれませんよ・・・
(普段も子供の頃からずっと走る気になれない私だけど)
歩いてるだけで、ジリジリ焼かれる暑さ。
灼熱の砂漠にいる河童の気分で歩いていると、私の苦手なスターバックスに出会いました。
スタバが苦手な私。スタバに入ると雰囲気にのまれて動揺して何を注文していいか分からなくなる私。
そんな私でも覚悟を決めて入りたいと思うほど暑い。とにかく水分が欲しい・・・
緊張するけど入り口に出ていた「マンゴー パッション ティー」を頼めばいいのだ!
「メニューなんか見ないで、マンゴーパッションティーを頼めばいいのだ!」と思って、店に入ろうとしたら長蛇の列。
店の周りにいる人々は、ただたむろっているのではない。
注文を待っている列なのでした・・・

おかしなもので、注文する覚悟を決めていたのにそれが叶わなくなると、何が何でも
「マンゴーパッションティー」を味わいたくなる。
満席の店内で、優雅にお茶してるお客の6〜7割はどう見てもランナー。
走ってお茶するだとぉ〜。気合いが足りん!
炎天下を走りに来たんだろう。お茶など飲まずに走らんかいっ。
飲むならポカリを飲みなさい。と、恨めしい気持ちで店を通り過ぎたのでした・・・。